IMPLANT
インプラントについての考え
私自身はインプラント治療はとても好きだし、インプラント治療をした人はみんな喜んでいただいていますが、私はインプラントについて完全なもの・すばらしいものと思ってはいません。インプラントは決して第一選択ではありません。利点もあれば欠点もあるのです。

私の医院に10人のインプラント希望患者が来られたとして、きちんと利点・欠点を説明し、その人に合った治療をしようとするとインプラントにいたる人は1人ぐらいしかいません。インプラントは選択枠のひとつにしかすぎません。
もちろん医院の経営を考えればインプラントを勧めるのが1番かもしれませんが、当医院は予防を中心に治療をしており、その人の20年、30年後、生涯をみていってあげたいと考えると、こんなことをいうのはおかしいかもしれませんが、たとえば入れ歯などで噛めるなら、その人の将来を考えるとその方がよかったりすることも多いのです。

たとえば、私の父親を例にしますと、下の顎に5本のインプラントが入っています。10数年前ですが、入れた時大変喜んでくれました。
しかしその後、5年後に脳梗塞になり、また、ペースメーカーをつけるようになり、今後インプラント治療は無理な状況になり、予防できちんと保ってはいても、「その他の歯がダメになったときどうするのか?」「いまさら入れ歯をいれてなれるのか?」「インプラントと入れ歯を共存させられるか?」など様々な問題点を抱えながら見守っていくことになるのです。
もし入れ歯で噛んでそれで喜んでくれていたら、それを修理するだけや作りなおすだけですんで楽だったのにと思うことがあります。

インプラントについて利点だけを伝えがちですが、インプラントにも大きな欠点があります。
その1つは、歯にはクッションのような働きをする歯根膜があるため、骨に植えるインプラントとは大きく異なり、その変位差のちがいにより対合歯に無理がきたり、隣接歯がダメージを受けたり、対角線上の歯牙にダメージを与えたりするので咬合を歯根膜単位でシビアにとらえなくてはいけない。
例をあげるなら、ボクシングでグローブもせずに素手で戦うようなもので、ダメージは少しずつ受けていくが、インプラントそのものはなんら問題がなくすごすため患者さん自身も気がつかずにすごしてしまうことが多く、インプラントが勝ってしまい、最後にインプラントがのこるという結果になることもある。

「インプラントを植えたら隣がだめになれば基本的にはまたインプラントという結果になり、患者さんの負担はどんどん増えていく。
そして、その負担に耐えかねた患者さんたちは、その医院を去っていくため、植えた歯科医はその事実を知らない。」そのような患者さんをたくさんみてきました。
だから私は利点、欠点はきちんと説明し、納得してもらったうえでしかおこないません。その時だけよければ良いという治療では本来の医療とはいえません。患者さんに最終的に生涯、先生にみてもらってよかったと思ってもらえる医療、それが「私の課題であり、夢でもあります。」
インプラント治療の流れ
  • インプラント治療に必要な診査を行いインプラントの治療が可能かどうか診断します。

  • 歯の根に相当するインプラントの部品を手術により顎の骨に埋入します。手術は局所麻酔を用いて行いますので痛みはありません。

  • 骨とインプラントがしっかり結合されるまでの治癒期間を設けます。(3ヶ月~6ヶ月)※治癒期間は骨の質などにより個人差があります。

  • インプラントを含めたお口の中の全体の型をとります。その型に従い人工の歯を作製します。その後、アバットメントの上に人工歯を装着して完成です。

  • インプラント治療の終了後、インプラントを長持ちさせる為には、適切なホームケアと定期的な検診が不可欠です。担当医の指導に従い、正しい歯磨きを心がけて下さい。